入管から追加資料の提出依頼が来ると、つい「早く全部説明しなければ」と思ってしまいます。でも、実務では、説明しすぎるほど墓穴を掘ることがあります。
まず、その「行間」を読む
大事なのは、まず見るべきなのは、その「行間」です。
「なぜ、この質問をしているのか」
「この資料を求めているということは、入管は何を疑っているのか」
そこを推測することが先だと思っています。
たとえば、売上資料を求めているなら、知りたいのは売上額そのものではなく、事業の実態や継続性かもしれない。
従業員の仕事内容を細かく聞いてくるなら、本当に在留資格に該当する業務なのかを疑っているのかもしれない。
代表者の海外滞在について聞いてくるなら、問題は海外にいたこと自体ではなく、日本で実際に経営していたのか、という点かもしれません。
疑問に届く、必要最小限の説明でいい
そうであれば、回答もその疑問に届けば足ります。
何でもかんでも説明する必要はありません。
むしろ、入管が疑っているポイントを読み取り、その疑問を解消するために必要最小限の説明と証拠を出す。
それで十分なことも多いと思います。
親切のつもりが、新しい論点を生む
怖いのは、親切のつもりで説明を広げることです。
Aを説明するためにBを書く。
Bを書くとCが気になる。
Cの説明のためにDの資料を出す。
すると、今度はDと過去資料の数字が少し違う。
最初は一つしかなかった論点が、こちらから説明を増やしたことで、二つ、三つ、四つと増えていく。
これは入管実務では珍しいことではありません。特に理由書は、長ければ丁寧というものでもありません。書けば書くほど説得力が増すわけでもありません。
むしろ、不要な事情、曖昧な表現、余計な背景説明が、新しい疑問の入口になることがあります。
だから、理由書や追加資料対応では、「何を書くか」と同じくらい、「何を書かないか」を考えるべきだと思っています。
入管は裁判所ではない
入管は裁判所ではありません。相手を論破する必要もない。自分の事情をすべて告白する場所でもない。
必要な論点に、必要な証拠で答える。余計な枝葉は削る。言わなくてよいことまで言わない。
まさに、他言無用ならぬ、多言無用。
入管対応では、説明不足も危険ですが、説明過多も同じくらい危険です。
説明しすぎるほど、自分で墓穴を掘る。
